さぁ、気に入ってたスマホが無限ループ&完全沈黙した結果、新しいスマホでより綺麗な写真がとれるようになり、むしろテンションが上がっている播磨弧道です。
みなさんのスマホは文鎮化したりしていないでしょうか。
さてさて、みなさんは「秘境駅」と聞いてどんな駅を想像するでしょうか。
- 森に囲まれた、人が近づくことさえ難しい駅??
- 高い山の中にある駅??
実はそんな秘境駅が大都会のイメージが強い神戸に存在しているんです。
名前は「菊水山駅」。神戸電鉄・有馬線にある駅です。
場所はこちら。
ただ、この菊水山駅。あまりに「秘境」すぎる場所にあったので乗降客数が全く伸びなかった結果、2005年に利用が休止され、そして2018年3月にあえなく正式に廃止となってしまいました。
菊水山駅の廃止に関する神戸新聞のニュース:
https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/201803/0011068277.shtml
※このニュースによると休止前の平均乗降客数がたったの18人!だったそうです。そりゃあ、廃止になりますよね(汗)
ただ、菊水山駅の近くには登山道が通っていてハイカーがよく利用するそうです。なので、播磨弧道も軽い登山がてら(折りたたみ自転車を携えて)この菊水山駅を見に行ってみることにしました。
さて、休止から10年以上が経った菊水山駅は現在どんな姿になっているんでしょうか??
(※記事中の地図・航空写真は地理院地図を加工したものです。)
鈴蘭台駅へ向かう
まず菊水山駅のとなりの駅(だった)鈴蘭台駅へ向かうことに。神戸を経由するルートもありますけど、播磨弧道が住む加古川からは乗り換えが簡単&料金も少しだけ安いという理由で粟生駅経由で行くことにしました。
結果1時間半以上かかりましたが、粟生駅が始発だったので、ゆっくり座りながら(寝ながら)行くことができました。
鈴蘭台駅の外に出るとうっすら雲が出ていたので、日差しはそれほど肌に刺さることはありません。うん、これは予想より快適なコンディションです。張り切って我らが秘境駅を目指しましょう!
経路の確認
実は鈴蘭台〜菊水山駅間はその昔、石井ダムが作られることになった影響で路線位置が変更になっています。
そして、旧路線に沿うように道が存在しているので(一部は旧線路の跡)、まずはそこから石井ダムを目指すことにしました。
鈴蘭台駅から南に向かって線路沿いを走ります。
少し走るとトンネルと車両が止まっているのが見えました。
ぐるっと川に沿って近づいていきます。
おっ、電車が止まってますね。なんで??
わぁ!1台どころかたくさん電車が止まっています。
ふふふ。これだけたくさん一緒に置いてあると鉄道模型にしか見えませんね(笑)
鉄道好きな人にはたまらないスポットでしょう!
先に進むと、「神戸電鉄株式会社 鈴蘭台車両工場」の看板が。なるほど、ここで点検とか修理を行っているんですね。
ということで、先を急ぐことに。
すると、突然鉄柵がとおせんぼしているのを発見。
あっ!まさか、これは立入禁止??
と思って貼り紙を見てみると・・・
「石井ダム最寄りゲートから石井ダム管理所までは、約1.5km、徒歩約20分です。車は通行できません。」とむしろ案内をしてくれていました。
ちなみに「ダムカード」なるもののことに言及されてますが、調べてみると、国土交通省のページに以下のような説明文が書いてありました。
国土交通省と独立行政法人水資源機構の管理するダムでは、ダムのことをより知っていただこうと、平成19年より「ダムカード」を作成し、ダムを訪問した方に配布しています。
おおっ、つまりはダム版のトレーディングカードってことなのか。へぇ、そんなコンプリート心をくすぐるアイテムがあるとは!(行った場所でお土産を買う「コロプラ」っていうゲームを思い出しました^^)
ということで、左側にある自転車用のゲートを通って中に入ることに。
さらに神戸電鉄の線路横を突き進みます。
ちなみに、この道路は線路のすぐ横にあります。
なので、こんな近くで電車の写真をとることもできますよ。
さて、そろそろ本格的に山の中に突入しそうです。
現在使われているトンネルを発見。ここで神戸電鉄の線路とはお別れです。
少しずつ人の気配がなくなってきました。
すると・・・おっ、橋に到着です!
いや、愕然とする高さなんですが・・・(汗)
あんな場所に道路つくるの大変だったんだろうな。(これは旧路線ではありません)
橋の向こう側には第1チェックポイントの「石井ダム」が見えています。あとちょっとですね!(それにしても高い・・・)
ビビりながら橋を渡ると、「妙号岩」と呼ばれるロッククライミングができる岩が見えてきました。(あんな場所ホントに登れるのかな!?)
ダムに近づいて来ると下に降りることができる道がありました。
上から見ると旧路線がくっきり残っているようなので、降りてみることに。
石井ダムを散策する
急勾配を降りていくと、さっきいた場所があんな高いところに。そりゃ上から見たら怖いです(笑)
さらに降りていくと土まみれの場所を発見。水面が近いので、もしかしたら少し前にあった集中豪雨のときに水位が上がったのかもしれません。
滑り落ちそうになりながらなんとか湖面のすぐ横まで降りてきました。過去の航空写真を見ると、どうやら向こう側に見える一本道が旧路線の跡のようです。
ただし、反対側は鉄柵に阻まれて奥には行けないようになっていました。
その昔、ここを神戸電鉄の車両がガタンゴトンと音を発していたわけです。そう考えると不思議なものですね。
・・・ということで、今しがた降りてきた道を戻ることに。
(ええ、地獄でしたよ^^;)
坂を登ると、ダムの頂上はすぐそこでした。
へぇ、ダムって思ったより分厚くはないんですね。
上からだとさっき見た旧路線がくっきりと現れていました。
ただし、常にガクブルの高さです・・・
近くにあった看板です。
いや・・・わかんないっす(汗)
じっくり見てみると、このダムは緑豊かな場所にあるので、「多目的レクリエーションダム」として建築されたそうです。あと、人が調節しなくても自動で働いてくれるらしいです。それはすごい技術ですね!
もう一つの案内図。周辺の観光スポットが分かるようになっています。やはり通常のダムとはちょっと違った趣ですね。
さぁ、じゃあこの石井ダムを(折りたたみ自転車を担いで)降りて行きましょう!
ふー、、、まだまだ下は遠いです。
ただ、景色は最高。山の谷間に現在使われている神戸電鉄の橋梁を見ることができました。
振り返ってみると・・・
いや、もはや宇宙船でしょ、コレ!!
折りたたみ自転車なので、それほど重くないとは行ってもやっぱりキツイ・・・
背後には宇宙船(笑)確か映画「インデペンデンスデイ」に登場する宇宙船ってこんな雰囲気でしたよね??
地面がすぐそこに迫ってきました!
最後だけスロープがついてました。
そして・・・
背後にはダムの全景が。
マジかっこいいんだけど!!!
これ絶対2本の角みたいな部分がこちら側に折れ曲がって「ハイパーメガキャノン」とかになるはず!・・・と思った播磨弧道はガンダム大好きっ子でした。^^
でも、これだけ図体がでかいのにこの時流れててた水はほんのチョロチョロ程度。これなら川の雰囲気も穏やかなはずですね。
ちなみに少し離れてみると完全にCGの世界。たしか最近のファイナルファンタジーってこんな感じですよね。
菊水山駅へ向かう
ということで、気を取り直して石井ダムから菊水山駅へ向かうことに。この道は旧路線の跡です。
といっても、旧路線とはすぐに分かれてしまいます。(写真右側が路線跡)
坂を登るように線路は走ってたんですね。なぜなら、この先でトンネルに入り、その先すぐが菊水山駅だったからなんですね。
旧路線のトンネルを少しだけ見ることができました。草がない秋とか冬だったらもっと見えるかもしれません。
流石に旧路線は通れないので、川沿いにある小道を進むことに。すると、さっき上から見えていた橋梁を発見。方向は合ってるようです。
でも、パッと右側を見ると単なる壁なのに絵ヂカラがある場所を発見・・・え、ここってその昔階段があったんじゃー(汗)
・・・怖いので見なかったことにして先を急ぐことに。
ちょうど播磨弧道が通過するときに、上を神戸電鉄の車両が通っていました。(ちなみに、山に入ってからは音が反響して常に電車の音が聞こえてました)
少し行くと舗装されていない道が出現。ただ、草は生えていないので比較的通りやすいです。
でも周りは完全に山の中。イノシシとか出てきても不思議じゃない雰囲気ですよね。
おもむろに上を見てみると、菊水山駅のすぐ側にあるトンネル(現在の路線用)を発見。こんなところにこれだけの建築物を作るなんて、人間ってすごいです。
そして、道は完全にハイキング用のものとなりました。
これは、完全に登山道ですね(笑)
でも・・・
その場所で上を見てみると鉄柵と手すりを発見!これはまさか!?
菊水山駅です。
やっと到着しました!
菊水山駅を調査する
まず見上げるとホームの鉄柵が見えます。きっとあそこからの景色は綺麗だったことでしょう。
側には錆びきったポールが。駅の名前とかが掲げられていたのでしょうか。
ポールの側には菊水山駅へと続く階段。(つまり背後が菊水山駅です)
そして、駅への入り口。廃墟感たっぷりです。
登ってみると鉄の扉があって、「関係者以外立入禁止」と書かれていました。きっと閉鎖されてからずっとこの状態なんでしょうね。
すぐ上には駅舎が見えます。
駅舎自体は意外に綺麗ですけど、周りは草だらけ。
鉄柵に近づいて中を見てみました。
誰も通らなくなったらこんな風になっちゃうんですね。
さすがに不法侵入はできないので、最大限、上から撮影。
でも、階段も綺麗っちゃ綺麗です。
プラットホームと階段の柵を一緒に撮影。
ウィキペディアで写真が公開されていたので、当時の姿を想像してみてください。当時の階段を登った場所です。
↓↓↓
ちなみに、左側が旧路線、右側が現在使われているトンネル(さっき下から見たトンネル)です。
ホントよくこんな場所に線路どころか駅まで作りましたよね〜。
ちなみに
その後、下山して山を抜けると次のような看板を発見しました。
「CAFE KIKUSUI BASE!!」と書かれています。
おおっ、こんな山の中でコーヒーが飲めるのかと近づいてみると・・・
どうやらこちらも菊水山駅と同じく閉鎖している様子。残念!
すぐ横からはウッドデッキが見えます。
ネットで調べるとホームページ(http://kikusuibase.com/)は生きているようなので最近閉鎖されたのかもしれません。(こんな山の中なのに、コーヒーが250円と、なんとも良心的なお店だったようです)
ふらっと寄り道のコーナー
菊水山駅から山を少し下ったところに「立ヶ畑ダム」があるので、今回は「ダムつながり」ということでふらっと寄り道してきました。
うーん、やっぱりここのダムも綺麗ですね。
ダムの上から撮影。(残念ながら、この右側は土砂崩れがあったらしく立入禁止になってました。そのため、下からの撮影は断念しました)
烏原貯水池と小道。蚊さえいなければもっとゆったりしてました(笑)
そして、立ヶ畑ダムから少し下ったところには木の間からポッカリ浮かぶ神戸の景色を見ることができます!わかりにくいかもしれませんけど写真中央少し右にポートタワーも見えます。
おわりに
ということで、今回はかつて「秘境駅」と呼ばれた菊水山駅の跡地を見に行ってみました。
さすがに石井ダムから折りたたみ自転車を担いで降りたのは少し大変でしたけど、鈴蘭台駅〜石井ダムまでは舗装された道路でしたし、基本的にいつでも下り坂だったので、下山してからもラクラク市街地まで戻ることができました。
もしみなさんが播磨弧道と同じような「軽いタイプの折りたたみ自転車」をもってるなら、鈴蘭台駅から今回のルートで行くのもありかもしれませんよ
(ただし、下り坂が急なのでブレーキはきちんと整備していってくださいね!)
ではでは〜♪